丘のある街。

日記
セブンスターの木

朝。
良かった、晴れてる。
今日は美瑛に行く。
あんまり深い意味は無いけど、夏の北海道にいるのに、どこにも行かないのはもったいない。
とりあえず、札幌駅に向かう。
10時発の特急で行けば、2時間ほどで着けるのだ。
札幌駅の路線図。
…美瑛が乗ってない。
いやそれ以前に、旭川ですら出てない。
うーん。
やっぱり札幌の人には生活圏ではないのか。
まぁ、東京から特急で1時間ちょっとも行けば、宇都宮とか行けちゃうもんね。
似たようなもんか。
北海道はどこも、巨木がない。
そうゆう大きな木はみんな倒してしまったのかもしれないけど、あまり高くない木々がどこまでも続く。
岩見沢、滝川、旭川。
旭川で、富良野線に乗り換える。
単線だ。
単線に乗るなんて、久しぶり。四国で乗って以来か。
ワンマン列車で、どこの駅も小さく無人。
トコトコと、列車は走っていく。
美瑛の駅は、複線になっていて有人で。
白いペンキが塗られた、なかなかオシャレな感じの駅。
駅前も、小奇麗な感じ。
ヨーロッパをイメージしているのかな。
同期に教えてもらった通り、駅前にレンタサイクルのお店があった。
そこで、チャリを借りて、地図をもらう。
慣れないチャリにふらふらしながら、郊外へ走っていく。
まだラベンダーなど花の季節には早く。
なだらかな畑が、丘全てを覆っている。

美瑛の丘
美瑛の丘

気温は肌寒いくらい。
雲が多い。
でも日は差している。
時折、天気雨。
チャリンコを飛ばすには凄く気持ちいい。
でも慣れないチャリンコで丘を登るのはなかなかしんどい。
久しぶりの運動かも。
ふと、降りて歩く。
チャリンコを降りると、いよいよ本当に音がない。
普段、どれだけ雑音のある所で生活しているんだろう、と思う。
時たま、鳥の声が聞こえる。
繁殖期なんだろうか。
ピーピー、高い声で、まるでお喋りをするかのように騒いでいる。
美瑛の丘は、人工的に作られたそうだ。
それはつまり、自然ではない。
丘には、綺麗に並んだ畑がどこまでも続いている。
でもま、人間だって自然の一部だし。
ここには確かに、生き物の息吹がある。
親子の木、セブンスターの木と回っていった。
時期が外れているせいか、本当に人が少ない。
わずわらしさがなくていい。

セブンスターの木
セブンスターの木

天文台がある小学校があった。
贅沢だなぁ。
こんなところで、夜空を眺めたら。
スゴイだろうなぁ。
お昼を食べてなくて、ふっと、なんだかよくわからないお店に寄った。
草原のど真ん中。
3軒の家があった。
店にはお客が一人もいない。
と、おもったら一人のおっさんが出てくる。
「うちはじゃがバターしかないよ」
なんか面白そう。
食べたいといったら、じゃぁ30分待てと言われる。
そして、待ってる間となりの陶芸でも見ておいて、できたら呼ぶからと。
言われるがままに、隣のお店を見てみる。
なんか、おばちゃんがお客相手にぺちゃくちゃ喋ってる。
おばちゃん、趣味で陶芸やりつつ、夏の時期だけここで作品を売るらしい。
優雅だなぁ。
おばちゃんと世間話。
なんか下町みたい。
小皿でも買うかなぁ、と手にとって見てたら、薬味皿をおまけするから買ってけといわれ、買ってしまった。
まぁいいか。
900円分を、500円で購入。
うーん。いいのかな。
おっさんに呼ばれじゃがバターをいただく。
じゃがバターと、マイタケのホール焼き。
おいしい。
ついでに牛乳ももらう。
北海道だぁ。
おっちゃんとも世間話。
なんか、よくテレビの取材が来るらしく。
来月も、テレビに出るらしい。
でも、あんまり興味がないらしく、サインはもらったことがないとか。
宇多田ヒカルも家族で着たらしい。
家族?
って、みんな芸能人じゃん。
フツーの、寧ろ幼すぎるくらいの子だったらしい。
そして、数ヶ月後にもまた遊びにきたとか。
へーぇ。
芸能人っぽくない芸能人は好きらしい。
柳沢真吾はうるさかったと言っていた。
なんでも経営していた会社を親族にゆずって、隠居してるらしい。
へーーすっげ。
やっぱり夏の間だけ、営業してるらしく。
優雅な隠居生活。
おっちゃんにお礼をいいつつ、ケンとメリーの木に向かう。
ってか、この名称の根拠ってなんだろう。
うーむ。
いい時間になってきたので、帰途へ。
電車は一時間に一本。
適当に時間を潰し、トコトコ、再び旭川へ。
ゆったり、旭川から特急。
同期から連絡があって、色々取り決めつつ。
7時ごろ、札幌に着く。
札幌は、よさこいソーラン祭りで大賑わい。
もう、すごい人、人、人。
本部長補佐一押しのお祭りだけある。
明日、わざわざ来るらしいし。
テレビも生放送でぶっ通しでやってる。
夜中11時までやるらしい。
都会の喧騒と田舎の静寂。
不思議なもんだ。
花が咲くころ、美瑛は渋滞でいっぱいらしい。
そか。
いいときに、行ったのかな。

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